「アプリを作りたいけど、環境構築もコーディングも面倒くさい」「アイデアはあるけど、形にするまでの腰が重い」そんな全エンジニア、いや全人類の悩みを吹き飛ばすツールがGoogle Labsから登場しました。その名は「Opal(オパール)」。一言で言えば、「言葉(プロンプト)だけで、UI付きのAIミニアプリが一瞬で完成するツール」です。公式ブログでも「Describe, Create, and Share(記述し、作成し、共有する)」と謳われている通り、このツールは開発のハードルを極限まで下げてくれます。引用:Opal のご紹介: AI ミニアプリの記述、作成、共有今回は、このOpalを実際に触ってみて感じた「凄さ」について解説します。Opalとは何か?Opalは、Google Labsが提供する「AI駆動のアプリケーションビルダー」です。 しかし、単なる「ノーコードツール」という言葉で片付けるのは失礼かもしれません。これは、「アイデアを即座に動くアプリに変換する装置」と呼ぶのがふさわしいです。見た目は「ブロックつなぎ」?でも手動作業はゼロOpalの編集画面を開くと、まずはその見た目に親近感を覚えるかもしれません。いわゆるノードベースと呼ばれる、ブロック同士を線で繋ぐフローチャートのようなものです。▲Opalの画面イメージ通常、このようなツールは、人間がパレットから機能を選び、キャンバスに配置し、一つひとつ線を引いて設定する必要があります。しかし、Opalが画期的なのは、この「ブロックをつなげる作業」すらAIがやってくれる点です。プロンプトだけで、アプリが湧いてくるOpalの最大の推しポイントは、「プロンプトを打った数十秒後には、もうアプリが完成して動いている」という点です。今までのアプリ開発はアイデアを思いつく→ 要件定義 → 環境構築 → デザイン検討 → コーディング → デバッグ → デプロイどんなに簡単なツールでも、これだけの手順が必要でした。しかし、Opalのではアイデアを思いつく → チャット欄に説明する → 完成このように手順が大きく減ります。例えば、ユーザーが「旅行プランを提案するアプリを作って」と入力してEnterキーを押します。すると、AIがその意図を理解し、必要な機能をブロックとして選定し、それらを接続し、さらにユーザーが操作するための入力フォームや結果画面まで自動生成します。文字通り、言葉がそのままアプリケーションとして具現化するのです。ドラッグ&ドロップすら不要です。チャットボットとの違いここも重要なポイントです。ChatGPTやGeminiのようなチャットボットは、対話の中で一度きりの答えをくれる存在でした。「今日の東京の天気を教えて」と聞けば「晴れです」と答えて終わりと言うものです。一方、Opalは答えを出すためのアプリを作ってくれます。 「旅行先を入れると、その地点の天気とおすすめスポットを出すアプリを作って」と頼めば、明日も明後日も、あるいは友人も使える入力フォーム付きのWebツールが完成します。つまり、「一回性の消費(対話)」から「再利用可能な資産(ツール)の構築」へと、AIの使い方が一段階進化したと言えます。3ステップで、誰でもクリエイターに開発プロセスも極めてシンプルです。Google Developers Blogでは、Opalのワークフローとして以下の3ステップが提唱されています。Describe (記述): 「ニュースを要約して」のように、自然言語でアイデアを記述する。Create (作成): AIが自動的に最適なツールを選定し、視覚的なフローチャートを構築する。Share (共有): 完成したアプリはURL一つで共有可能。SNSやチーム内での拡散も一瞬です。さらに、2025年10月頃からは日本を含む多くの国で展開されており、日本語プロンプトにも完全対応しています。Googleエコシステムと完全に統合されたこのツールは、まさに死角のない仕上がりになっています。【実践】実際にアプリを作ってみた論より証拠。実際にOpalでいくつかのアプリを作ってみました。Case 1: 超速リサーチ・エージェントまずは実用的なツールから。「特定のトピックについてWeb検索し、要点をまとめてくれるアプリ」を作ります。入力したプロンプト:トピックを入力すると、Google検索で最新のニュースを5つ探し、それぞれの要点を日本語で3行にまとめてレポートしてくれるアプリを作って結果:わずか数十秒で画像のような処理フローが構築されました。これ、PythonでスクレイピングしてLLM叩いて…とやると地味に数時間かかるところですが、Opalなら30秒です。実際に使用してみました。画面右側の「Start」の文字を押して「静岡県」と入力してみました。すると、自動で検索が始まり1分程度で結果が出てきました。このように画面右側に一瞬で検索結果のhtmlが出力されました。また、結果についても1/2に検索したのですが、最新の事件について取り上げています。しかも存在する事件を取り上げていました。「意識不明の重体で救急搬送されたバイクの運転手が収容先の病院で死亡 軽乗用車と大型バイクの衝突事故 静岡・御前崎市」引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/5a8c24bbb115ee6fadd6f0681e41d7a9bad64bf7Case 2: 画像認識 × コーディング「スクショから爆速コード生成」エンジニアなら一度は夢見る「画像からコード生成」も、Opalなら一瞬です。入力したプロンプト:UIのスクリーンショット画像をアップロードすると、そのデザインを再現するHTMLとTailwind CSSのコードを生成し、プレビュー表示するアプリを作って結果:このアプリで実際にGoogleの検索画面を入力してみました。その結果が以下の画像です。実際の画面とある程度似ていますね。「Gemini 2.5 Pro」のマルチモーダル能力(視覚)とコーディング能力が、複雑なAPI連携なしで繋がってしまいました。これ、フロントエンド開発の初手として普通に使えそうです。技術的考察:これは「Vibe Coding」の幕開けか最近、界隈で「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」という言葉が話題になっています。これはTeslaの元AI責任者であるAndrej Karpathy氏などが提唱している概念で、「厳密な構文やロジックを人間が管理するのではなく、AIとの対話と直感(Vibe)で動くものを作り上げていくスタイル」を指します。Opalを使ってみて、まさにこれがVibe Codingの実践だと感じました。従来のコーディング: def function(): と書き始め、エラーが出ればスタックトレースを追う。Opalでの体験: 「なんか動きが違うな」と思ったら、「もっと楽しげな回答にして」や「検索結果が古いから期間指定して」と言葉で修正する。エンジニアの仕事は「コードを書くこと」から、「AIに意図を正しく伝え、データの流れ(パイプライン)を設計すること」にシフトしていくのかもしれません。まとめ:とりあえず触ってみようOpalは実験段階(Labs)のプロダクトですが、プロトタイピングの速度は爆発的です。「あ、こんなツール欲しいな」と思った瞬間に、ブラウザ上で形にできる快感は一度味わうと癖になります。また、最近ではWeb版Gemini(Gems)との統合も進んでおり、より身近な場所でOpalの技術が使えるようになってきています。ぜひ皆さんも、自分だけの「俺専用AIアプリ」を作ってみてください。🔗 関連リンク:OpalIntroducing Opal: describe, create, and share your AI mini-apps - Google Developers Blog